引き算の美学
最も少ない言葉で、最も深い詩を詠むように。
現代庭園を構成する三要素
素材(Material)
コンクリート、コールテン鋼、ガラス。これらの無機質な素材は、それ自体が持つ独特のテクスチャや表情を意匠の一部とします。時間の経過とともに変化する風合いもまた、庭の歴史として刻まれます。
光と影(Light & Shadow)
建築物や植栽、構造物が織りなす光と影は、刻一刻と表情を変える生きたアートです。私たちは、この自然の移ろいをデザインの核とし、空間に奥行きと詩的な情感を吹き込みます。
緑の焦点(Green Focus)
選ばれし一本の樹木、あるいは幾何学的に配置された植栽ますは、空間全体を引き締める彫刻のような存在です。最小限の緑で最大限の生命感を表現し、洗練された静寂をもたらします。
文学的
ミニマリズム
私たちのモダンガーデンには、俳句の精神が流れています。
限られた要素で無限の想像力を喚起させるという共通の美意識。日本が古くから育んできた「間」や「余白」の文化は、現代のミニマリズム庭園において、本質を研ぎ澄まし、心象風景を豊かにする力へと昇華されます。
事例:「無題」
季節の移ろいと見る人の心によって意味が生まれる、都心に佇む中庭。ただそこに存在するだけでなく、訪れるたびに新たな発見と瞑想を促す普遍的な空間を創り出しました。
事例:「一行詩」
細長い都市型敷地に、一本のライン状の水路と一列の竹林だけを配したアプローチ。歩みを進めるたびに空間の広がりと奥行きを感じさせる、静謐な詩情を表現しています。